青森県 最下位脱出ならず |のだ眼科・血管内科クリニック

眼科0172-33-6611
内科0172-33-6622

青森県 最下位脱出ならず 

更新 2017.12.14

2015年の都道府県別平均寿命が発表になった。

今回は長寿グループでは男性1位が長野県と滋賀県が入れ替わりました。女性1位は今回も長野県でした。

今回こそは!と期待されていた青森県ですが、残念ながら今回も男女ともに最下位でした。

青森県が短命県であることは、全国的にも有名になってます。

短命の理由として塩分の摂り過ぎとか、カップラーメンが好き過ぎとか、喫煙率だとか、酒好きだとかいろいろと取りざたされています。県も減塩推進事業として「だし活!、健活!」、知事までも「だし活」だとかでテレビ出演されています。

今回の発表では青森県の男性は78.67歳、女性が85.97歳でした。これは2005年における全国平均に相当します。すなわち青森県は10年ほど遅れてることになります。

たかが10年、されど10年なのか・・・・・?

わたしが医師になったばかりの1990年頃には男性全国平均が75.92歳、女性全国平均が81.90歳でしたので、その頃に較べると今の青森県民はかなり長生きです。たしかに塩分摂取量はその頃と比較すると徐々に減少していると思います。

ただし、塩分摂取量の違いだけが寿命に影響しているわけではないのでは・・・?

塩分摂取量だけみたら実は青森県民より長野県民の方が多いという調査があります。

マクロ的にみると人間の寿命に大きく関わるのは、公衆衛生、教育、災害、経済などの環境要因と思います。しかし、ここ20-30年間で考えると日本全体の衛生環境は大きくな変化は有りません。日本人の寿命が延びてきたのは、基本的には新薬や新しい治療技術の開発、医療技術の進歩、それに健康教育によるものと思われます。

「青森県は全国平均よりも10年遅れているけど、寿命は着実に寿命は延びている」と思えばどうなのでしょうか?

さて一方、高齢化社会を迎え、現実的に問題となるのが生活費や介護など老後にかかるお金でしょうか?

以前、介護運営サイトで老後にかかる経費を調べたことがあります。

すると以下のような結果でした。

------

青森県の有料老人ホーム・介護施設 599件

長野県の有料老人ホーム・介護施設 682件

東京都の有料老人ホーム・介護施設 2,112件

青森市周辺の老人ホーム、介護施設の平均相場

今すぐ入居可は 25件

入居一時金1万円 月額利用料 7.5万円

長野市周辺の老人ホーム、介護施設平均相場

入居一時金 261万円 月額利用料 17.3万円

松本市 263万円、19.9万円

東京23区の老人ホーム、介護施設平均相場

大田区 659万円、月額 26.5万円

足立区 177万円 18.0万円

港区 1544万円 41.9万円

-----

青森県は人口比で考えると老人ホーム、介護施設の件数はかなり多いです。

上のグラフをみても量的サービスは充実していると言えます。

更に、青森県はサービスを老後にかかる費用についていえばかなり低額です!

都会と比較するとサービスはそれなりなのかもしれませんが、老後にそれほどお金がかからないというのも大事なポイントではないかと思います。

青森県も短命県をアピールするよりも、老後にかかる負担が軽いという点を全国にアピールしてもよいのではないかと・・・考えますが、如何でしょうか?

以下、NHKの記事からの引用です。

---

都道府県別の平均寿命 最長は滋賀(男性)長野(女性)

12月13日 15時47分

全国の都道府県のうち、おととし、最も平均寿命が長かったのは、男性が滋賀、女性は長野だったことが厚生労働省の調査でわかりました。一方、平均寿命が最も短かったのは男女ともに青森でした。

厚生労働省は、5年に1度、都道府県ごとの平均寿命を調査していて、今回はおととしの時点の結果を公表しました。

それによりますと、男性で平均寿命が最も長かったのは滋賀で81.78歳、次いで長野が81.75歳、京都が81.40歳となり、女性では、長野が87.675歳、次いで岡山が87.673歳、島根が87.64歳となりました。

一方、平均寿命が最も短かったのは、男性では青森で78.67歳、次いで秋田が79.51歳、岩手が79.86歳で、女性でも最も短かったのは、青森で85.93歳、次いで栃木が86.24歳、茨城が86.33歳でした。

青森は、男性が昭和50年以降9回連続、女性は平成12年以降4回連続で平均寿命が最も短くなっています。

青森と平均寿命が最も長かった県との差は、男性が3.11歳、女性は1.74歳でした。

また前回、5年前の調査と比べると、すべての都道府県で平均寿命が伸び、全国の平均は、男性が80.77歳、女性が87.01歳となっています。

厚生労働省は「平均寿命が長い県は、食事で塩分の摂取量が少なかったり喫煙率が低いなどの傾向が見られ、こうした動きを全国に広げていきたい」と話しています。