下肢のしびれ、痛みについて|のだ眼科・血管内科クリニック

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下肢のしびれ、痛みについて

更新 2016.08.10

開院して、約1ヶ月。「血管内科」と標榜して、診療をはじめてはみたものの、これまでのところ新たに「閉塞性動脈硬化症」と診断できた患者さんはほんの数人。「もっと多くの患者がいるはず・・・」と思っているのですが、まあ、これから・・・ぼちぼち・・・。

「足が冷たい」「足が痛い」「引っ張られるような感じがする」「足がしびれる」という訴えは閉塞性動脈硬化症でよく見られる症状ですが、腰部脊柱管狭窄症、坐骨神経痛、静脈瘤なども同じような症状を来します。これらは、問診や検査で簡単にわかります。

ところで、閉塞性動脈硬化症以外の病気が原因となるしびれ、痛みに対する治療で、整形外科的な適応がないものはどうしても薬物療法に頼らざるをえません。

薬物療法としては、以前ですとジアゼパム(商標名:セルシン、ホリゾン)の精神安定剤を第一選択とし、カルバマゼピン(商標名:テグレトール)などを追加していましたが、最近では薬物療法も多種多様となっています。

しびれに対する治療薬として、最近よく用いられるようになったのが、プレガバリン(商標名:リリカ)です。神経痛に対するプレガバリンは当初「帯状疱疹後神経痛」に対する治療薬として認可されました。その後「糖尿病性神経痛(神経障害性疼痛)」「繊維性筋痛症」などと適応が拡大されていき、しびれに対して有効な薬物として整形外科の先生を中心に認知されていると思います。

大変よい薬ではあるのですが、高齢者については容量設定がなかなか困難な場合があります。有効域ではどうなんでしょうか?という印象です。(薬には詳しくない。あくまで市井の医師としての感想です。)

先日も下肢のしびれ、慢性痛を訴えておとずれた高齢の患者さんがいましたが、少量だと効果は薄いようです。しかし、増量するとたぶんめまいを起こすこともあります。自宅でふらついて転倒したりしないかとヒヤヒヤです。かといって「しびれも痛みも我慢しろ!」とは言えません・・・。いろいろと高齢者は難しいです・・・。薬が合う、合わないはいろいろありますので、いろいろと試すことになりそうです。それでダメなら「お注射!」という方法もあります。しびれや痛みの場所にあわせていろいろな選択肢を考えていこうと思っています。