当院での陥入爪治療について
更新 2016.08.29
開院してから、約1か月になりますが、これまでに三名の患者さんの陥入爪の小手術をおこないました。当院ではやや重症な陥入爪に対しては「ガター法」という方法で治療しています。
陥入爪による疼痛の原因の多くが足の爪の端が、内側から趾先に食い込むことで発症します。その原因の多くは誤った爪切りが原因です。
軽症の陥入爪に対してはコットンパッキングと医療用アロンアルファで対処可能ですが、ひどくなると簡単な手術「ガター法」が有用です。
別に珍しい方法でもないのですが、痛みはかなり楽になるようです。
手順は、
1.最初に消毒
2.治療趾の神経を麻酔でブロックする。(麻酔が効くまでに少し時間がかかる)
3.爪縁を爪ゾンデで掘り起こし、チューブを挿入するスペースを作成する
4.縦に裂いた点滴チューブを爪縁の先端から爪縁に沿って挿入する
5.チューブと爪をナイロン糸で固定する。
6.最後にアロンアルファをチューブに流しこんで全体を固定し安定させる。
という、まあ、簡単な手術なんですが、これを考えた人は頭良いですね。手技は簡単にできる。長期的にみておかしな再発を起こすことがない・・・など、フェノール法などに較べると理にかなった方法だと思います。
私は、以前の職場での経験を含めてこれまで30人ほどに施術していますが、かなり良い感じです。
「若年者での爪菲薄例」あるいは、「抗がん剤(分子標的薬)での治療によって爪全体が菲薄化している症例」を除けば、再発も少ない。
やや重症の陥入爪の方にはとてもよい方法と思います。
陥入爪でひどくなった肉芽に対しては、超強力なステロイドの塗布あるいは、絹糸で縛って壊死させるなどで対応しています。壊死を起こさせる軟膏(亜硝酸の入った軟膏)も以前に薬局にお願いして作ってもらったたことがありますが、直ぐにダメになってしまうので使い難いです。
ガター法については下記にリンク張っておきます。