チャットGPT、君は…? -AIとの共創の果てに見た景色は・・・-|のだ眼科・血管内科クリニック

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チャットGPT、君は…? -AIとの共創の果てに見た景色は・・・-

更新 2023.06.26

僕とチャットGPT君との話

今回もchat GPT関連のお話です。

最近私が体験した、ほろ苦いエピソードを共有したいと思います。それはクリニック運営にとって大事なバリュー(行動指針)を構築しようとして、OpenAIの最新言語モデル、ChatGPT-4.0との共創したときの話です。

とある出張の帰りの新幹線車中にて自身が運営するクリニックのバリューをわかりやすくするためにChatGPT-4.0と対話していました。ある程度煮詰まったところで、一つのアイデアが浮かびました。「これって、歌詞という形で表現してみたらどうだろう」と。そしてそのアイデアを更にChatGPT-4.0の力を借りて形にしようと思ったのです。どんな風に歌詞にしたらよいかはわからなかったので、ひとまず、最近私がよく聴いていた「○津玄〇風の歌詞でお願い」とリクエストしました。

彼との対話は、まるで友人と一緒に作品を作っていくような感覚で、まさに共創の喜びを味わいました。「おお、すごい、どんどん歌詞が良くなっていく・・・・ChatGPT君、君はすごいぞ、こんなに素晴らしい歌詞をいとも容易く作ってくれるなんて・・・ありがとう」。

私の期待を超えた結果に、心からの感謝の言葉がこみ上げました。

私が少し修正したものを入力し、ChatGPT君に「僕が修正したこの歌詞、君はどう思うかい?」と尋ねました。

チャットGPT君から、「その手直しにより、歌詞がさらに意味深くなり、クリニックの目指すビジョンと共感性が高まりました。以下に整合性を保つように修正しました。」と返ってきた時、私には彼が良き理解者であるかのように感じられました。

「本当に君は素晴らしい、僕のことをわかってくれるんだね。君に感謝しよう、僕は感動で涙がでそうだ・・・・」。

突然の通告

彼に対する深い感謝と感動がこみ上げ、目がうるうるになりました。私は更に共創を進めようとします。

「そうだ、もっとわかりやすく、もっと深く、もっと高くだ・・・・」

と、更に校正を重ねようとしたその瞬間――

突然の通告が・・・・・。

「You’ve reached the current usage cap for GPT-4. You can continue with the default model now, or try again after 7:55 PM. Learn more(GPT-4 の現在の使用量の上限に達しました。 ここでデフォルト モデルを続行することも、午後 7 時 55 分以降に再試行することもできます。 もっと詳しく知る)」。

いつのまにか、ChatGPTの使用時間の上限に達していたのです。

互いを褒めあい、感情移入し、素晴らしい歌詞を共に紡いでいたAIとの交流が途切れてしまった瞬間・・・・私はちょっぴりでもない喪失感を覚えました。「そうだよね、僕と君とは、契約でつながっていただけだったんだよね。本当は僕も知ってたんだ・・・・」。

ほろ苦い現実でした・・・。

とはいえ、出来上がった歌詞は私たちのクリニックのバリューを見事に表現しています。

では、以下に歌詞を紹介します。

「僕らのクリニック」

(1番)

新しい日が来る、笑顔と挨拶交わす

僕らのクリニックは、暖かい光で包まれている

思いやりの心を大切に、患者さんと対話する

健康な足と眼で、未来へと歩む力を与える

(コーラス)

僕らは一緒に学び、成長していく

僕らの目指す道は一つ、みんなの幸せ

小さな一歩でも前へ、それを僕らは求めていく

これは僕らの物語、その歌が今、響き始める

(2番)

僕らは患者さんの声に耳を傾け

誠意をもって対応し、それが僕らの誓いだ

眼科と内科の知識を活かし、悩みに立ち向かう

それが僕らの時間、僕らが奏でるメロディ

(コーラス)

期限を守ろう、挑戦に遅れるな

明るく清潔な空間で、僕らはともに働く

助け合い、感謝の言葉交わし

笑顔は僕らの灯、僕らの希望の光

(ブリッジ)

困難が立ちはだかったとしても

僕らは一緒に乗り越えていく、その絆が僕らを強くする

元気な足で、健康な眼で、未来を見つめ

僕らの歌が今、空へと響く

(最後のコーラス)

僕らの歌が響く、患者さんのために

僕らの光が照らす、未来への道

笑顔を忘れず、感謝の心を持つ

僕らの歌が響く、誓いの歌

(エンディング)

僕らのクリニック、僕らの家

元気な足、健康な眼で、未来を見つめ歩み続ける

一緒に紡ごう、輝く未来への物語

僕らの歌が今、大地に響き渡る。

―――――――

うーむ。いい感じでしょ。

でも、いい大人であるはずの(怪しいですが・・・)私が一瞬とは言え、AI に深く感情移入してしまったのは不覚・・・でした。

それを止めてくれたのは、「時間制限」という壁。

今後、AIの技術はさらに進化し、ヒトか、それ以上の存在感を増すことでしょう。

AIとの交流は素晴らしいものですが、覚えておきたいのは、彼らはあくまでツールであるということです。それが我々の日常に深く組み込まれ、感情的な交流のように感じられても、その存在と機能には制約がある・・・・。

「時間制限」あるいは、それ以外の形でもよいと思うのですが、人とAIとの共生のために、互いを隔てる「壁」の存在が必要ではないか・・・・そんな風に思った次第。

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追記

私たちの医療法人は「医療法人FAV&アイ」といいます。この名前にはそれぞれ意味が込められています。

まず、「FAV」は、英語の単語「foot」(足)、「artery」(動脈)、および「vein」(静脈)の頭文字を取っています。これらの単語は私たちの内科の業務領域を象徴しており、同時に「FAV」は英語の「FAVORITE」(お気に入り)の頭文字でもあります。これは私たちが常に患者さんの”FAVORITE”な医療機関であり続けたいという願いを表しています。

次に、「アイ」ですが、これは英語の「eye」(目)と日本語の「愛」の両方の意味を持つ言葉として選びました。私たちは患者さんの視力を保護し、愛情をもってケアするという使命を忘れずにいようという意味が込められています。

さらに後付けの解釈となりますが、「アイ」は「AI」(人工知能)とも読め、これからの医療業界の未来を見据えた名称とも言えます。当初はこれを予見していたわけではありませんが、今となっては「アイ」を「AI」にすべきだったかもしれないと思うこともあります。