足のむくみ


陸奥新報 平成29年2月25日 17面 「医療情報ほっと」欄に足のむくみの原因と対策について、あれこれ語ってみました。御一読ください。


心配なむくみ、心配いらないむくみ

 当院には「足が浮腫む」ということで受診されるかたが、よくいらっしゃいます。

ここでいう”浮腫み”とは、「顔や手足などの末端が体内の水分によって、痛みを伴わない形で病的に腫れている状態」のことを言います。痛みや発赤のあるものは”浮腫み”でなくて”炎症”といいます。

”浮腫み”をもう少し専門的にいうと「皮下の組織間質と毛細血管、リンパ管との水分のやりとりのバランスが崩れ、組織間質に過剰な液体が貯留した状態」です。

 ”浮腫み”を心配されて受診されるかたの多くの心配事は「何か、重大なことが起きているのではないか?」というものです。心配な浮腫みは何でしょうか?今日はこの点について述べます。

  まずは、「心配しなくて良い浮腫み」と「心配な浮腫み」について述べます。

「心配のいらない浮腫み」

日常生活でおこる浮腫みであり、改善する可能性の高い浮腫みです。その原因はわりとはっきりしていて本人も自覚していることが多いです。

 

 長い立ち仕事が原因の浮腫み

 座りっぱなしによる浮腫み

 飲み過ぎ、食べ過ぎによる浮腫み

 塩分の摂りすぎによる浮腫み

 精神的なストレスによる浮腫み

 寝不足、運動不足による浮腫み

 女性特有の浮腫み(女性はホルモンの影響で浮腫みやすい

「心配な浮腫み」

 臓器の異常によっておこる浮腫みです。時として治療は難しいです。

   甲状腺機能低下(押してもへこまない浮腫み)

   心不全 

   肝硬変 

   腎不全 

   ネフローゼ症候群 

   悪性腫瘍などによるリンパ浮腫

   下肢静脈瘤 

   深部静脈血栓症 

   薬の副作用による浮腫み(降圧剤など・・・)


特殊なむくみ(脂肪性浮腫)

「心配のいらない浮腫み」といってもやや特殊な浮腫みがあります。確かに浮腫みがあるように見えるのですが、皮下脂肪が厚くなり、それにリンパ組織の増生やリンパ管の拡張などが合併したことで「浮腫み状」になっている患者さんがいます。

”lipoedema=脂肪性浮腫”といわれるものが、これにあたるのではないかと思います。

さて、「脂肪性浮腫」では、健康な食事(ダイエット)、軽度の運動、下肢のリンパマッサージなどが有用とされていますが、以前より難治性とされていました。実際のところ、高齢者においてはダイエットや運動はやはり無理があるなと感じられることがしばしばです。また、下肢のリンパマッサージについても治療精度が難しいと思います。

手術による脂肪吸引療法も試みられていますが、日本人でほとんどが軽症のものが多く積極的に用いられているとは言いがたいようです。

といった状況ですが、最近では圧迫療法も脂肪性浮腫の治療法のひとつとしてあげられるようになっています。更に、それに加えて空気圧迫療法にも効果があるとされているようです。「肥満肢に圧迫療法?・・空気圧迫療法?一時的なものでしかないのでは?」という気もしますが、有効性を示した論文もあるようです。今後の状況に注目したいところです。

 

Complete decongestive physiotherapy with and without pneumatic compression for treatment oflipedema: a pilot study.

Szolnoky G, Borsos B, Bársony K, Balogh M, Kemény L.

Lymphology. 2008 Mar;41(1):40-4.

 



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